【プロが解説】コーキングとシーリングの違いは?プライマーとの違いも解説

コーキングとシーリングの違い

「コーキングとシーリングって、何が違うの?」

と疑問に感じていませんか?

結論をお伝えしますと、どちらも同じ工事・素材と考えて問題ありません。ただ、厳密に言うとコーキング剤はシーリング材の一種です。

コーキング(シーリング)とは、外壁材同士の隙間(目地)、窓枠や水回りの隙間にあるゴム状の防水材です。

業者さんや職人さんによって、コーキングと言う方もいれば、シーリングと言う方もいます。また、中にはシールやシーラントと呼ぶ方もおり様々です。

知識があれば同じ工事だとわかりますがご存知でないと、

「新たな工事が発生したの?」

「工事内容が変わるの?」

と不安になるかと思います。

業者さんから見積り内容や工事内容の説明を受ける時には、この違いについて理解しておけば、業者さんの選定において役立つこともありますので、ご理解いただくことに損はありません。

外壁塗装を成功させるために、役立てていただければ幸いです。

この記事のポイント
  1. コーキングとシーリングの違いは規格上の分類
  2. 規格上の分類では、シーリングという大きなカテゴリー中に、コーキングが存在する
  3. プライマーは下地の接着力を良くする下塗り材でコーキングとは別物
  4. 職人さんの間では細かい定義の違いを意識して使われることは少ない
目次

コーキングとシーリングの違いは日本産業規格(JIS)上の分類

コーキングとシーリングは、職人さんの間では同じ意味で使われることがほとんどです。

ただ、厳密にはシーリング材という大きなカテゴリーの中の1つにコーキングが存在するという違いがあります。

これは日本産業規格(JIS)の分類を見るとわかります。どのような違いなのか、詳しく解説します。

日本産業規格(JIS)とは?

日本産業企画(JIS)とは、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格です。JISは、Japanese Industrial Standardsの頭文字をとった略称です。

一般的に『標準』は任意のものでJISに適合しないから販売できないといったことはありません。ただ、法令に引用された場合は強制力を持ちます。

簡単にお伝えすると、「こういう基準で商品を作ってね」という基準を定めているものです。

例えば、素材と素材を固定するネジの大きさに規格がなくバラバラだと、ネジが外れてしまったり、素材に開けるネジの穴の大きさがバラバラになり、非常に効率が悪くなります。

このような事態を防ぐために、「この場合は、0.5mmのネジにしてね」といった定義をしているという訳です。

日本産業規格(JIS)によるシーリングと油性コーキングの分類

分類JISによる定義
シーリング材構造体の目地、隙間部分に充填して防水性、気密性などの技能を発揮させる材料。
油性コーキング材展色材(天然油脂、合成油脂、アルキド樹脂など)と鉱物質充填剤(石綿、炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材。相対変位の小さな目地のシールに使用される。
日本産業規格(JIS)によるシーリングと油性コーキングの分類

日本産業規格(JIS)によるシーリングと油性コーキング分類を表にしたものがこちらです。

簡単にお伝えすると、油性のコーキング材以外はすべてシーリング材であるということです。

しかしながら、油性コーキング材のJIS規格は、石綿=アスベストが使われていることもあり、2004年10月21日に廃止されています。

そのため、正確にお伝えすると現在はシーリング材が使われているということになります。

油性コーキング材の、『油性』は油性成分の中の1つである『油脂』を主成分としたという意味であり、水性のコーキングはありません。

コーキングと呼ばれるのは昔からの名残

現在では、油性のコーキング材は安全性の観点から使用されなくなっており、シーリング材と呼ぶ方も増えておりますが、昔はコーキング材と呼ぶのが主流でした。

背景にあるのは、1951年に海外から日本に油性コーキング材が輸入されたのが始まりであるためです。

そのため、長い間『コーキング』と呼ばれてきました。油性コーキング材が使われていた頃の名残から、今でもシーリング材を『コーキング』と呼ぶ方もいます。

実際のところは、工事内容が同じものなので、呼び名が変わっても当然工事単価は変わりません。

コーキング(シーリング)とプライマーの違いは?

よく疑問に感じられる方が多いコーキング(シーリング)とプライマーの違いについても説明します。

コーキング(シーリング)とプライマーは全くの別物で、プライマーとは、コーキング(シーリング)と下地の接着力をよくするための下塗り材です。

プライマーとコーキング(シーリング)はセットとして考え、プライマーを塗った後にコーキング(シーリング)を打ちます。

コーキング(シーリング)材の分類

コーキング(シーリング)材にはいろいろと種類があり、用途によって使い分ける必要があります。

大きく分けて、

  1. 定型シーリング材
  2. 不定形シーリング材

の2種類があります。

不定形シーリング材の中にも、

  1. アクリル系
  2. ウレタン系
  3. シリコン系
  4. 変性シリコン系

の4種類があります。

また、上記4種類の中でも、

  1. 1成分系
  2. 2成分系

と分かれており、合計8種類のコーキング(シーリング)材があります。

このように、コーキング(シーリング)にはいろいろ種類があり、用途によって使い分けます。

水回りはシリコン系、外壁回りは変性シリコン系など、使用箇所によって適切なものが異なります。

用途に合わない種類を選んでしまうと、本来の耐久性を発揮できず、ひび割れや剥がれの原因となってしまいます。

まとめ

結論として、コーキングとシーリングは同じものを指しており、職人さんの間では特に違いを意識して使われることはありません。

ただ、厳密には、シーリング材の中の1つにコーキングという種類があったという違いがあります。

現在は、JIS規格で定義される油性コーキング材は廃止されており、シーリングに統一する流れができつつあります。

コーキングではなく『シーリング』と呼び、背景を理解している業者さんであれば、勉強して知識を更新していることがわかる1つの目安になると言えるでしょう。

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