【プロが解説】コーキングの種類と特徴や用途の違い

コーキングの種類

コーキング(シーリング)は各用途によって使用する種類が異なります。

用途を間違うとコーキング本来の耐久性が発揮できず、劣化速度が速まってしまいます。

そうならないために、

  1. どのような場所に
  2. どの種類のコーキングを

使用するのか、事前に決めておく必要があります。

コーキングの各種類の特徴や用途、耐用年数(耐久性)や色などをお伝えしますので、この記事をご覧いただき、コーキング材の選定や特徴の理解にお役立て下さい。

目次

コーキングの種類

まず、コーキングの種類ですが、大きく分けて

  • 定型シーリング
  • 不定形シーリング

の2種類があります。

また、不定形シーリングは、

  • 1成分形
  • 2成分形

と分かれています。

『1成分形』『2成分形』でもシーリング材の主成分によって種類があり、主に使われるものでは、

  1. アクリル系
  2. ウレタン系
  3. シリコン系
  4. 変成シリコン系
  5. ポリサルファイド系

があります。

コーキングを打つ際は、各種類の特徴や用途、耐用年数等を把握した上で、適切なコーキングを選定する必要があります。

コーキングの分類の詳細や特徴などをお伝えしていきます。

コーキング(シーリング)の形による分類

コーキングには、

  1. 定型
  2. 不定形

と形による分類があります。

それぞれ、どのようなものかお伝えします。

定型シーリング

定型シーリングは、その名の通り型が決まっているタイプです。

パッキンやガスケットなどが定型シーリングに当たります。

パッキン、ガスケットとは、水など流体が外部に漏れないようにするためのゴム状の部品です。いろんな機械に使用されていますが、身近なところだと水栓や給水管の継手部分などに使用されています。

水栓から水漏れがあった際、定型シーリングが痩せたり切れたことが原因のケースが多いです。

不定形シーリング

不定形シーリングは、ペースト状で形が定まっていないタイプです。

コーキングとも呼ばれ、乾燥するとゴムのような弾力性のあるものになります。

外壁材同士の継ぎ目やひび割れの補修、水まわりに使用し、外壁塗装においては不定形シーリングを使用します。

コーキングの硬化による分類

コーキングはそのまま使うのか、硬化剤を混ぜるのか混ぜないのかによって、

  1. 1成分形
  2. 2成分形

と種類があります。

硬化剤の有無による分類は、塗料にも存在する分類です。

それぞれの特徴などをお伝えします。

1成分形

1成分形は、硬化剤を使わずとも自然に硬化するタイプです。

1成分形の中にも、細かく分けると、

  1. 湿気により硬化するタイプ
  2. 乾燥によって硬化するタイプ
  3. 酸化によって表面が硬化するタイプ

があります。

種類によっては、ホームセンターでも購入でき、比較的施工する範囲が少ないときに使用します。

DIYのときに使われることが多いタイプです。

しかし、ご自身で施工するには、コーキングガンやヘラ、マスキングテープなどの道具を揃える必要があり、初期投資がかかります。慣れていないと難しい作業です。

2成分形

2成分形は、主剤と硬化剤を混ぜることで硬化するタイプです。

主剤と硬化剤の2種類を使用するため、2成分形と言います。

専用の撹拌機(かくはんき)を使用して混ぜる工程が必要であり、主剤と硬化剤の比率を間違えると硬化不良を起こしたり早期劣化に繋がるため、知識がない方の使用は難しいと言えます。

1成分形に比べ、まとまって多くのコーキング材を作れるため、施工範囲が広いときに使用します。

また、単価も1成分形に比べて安いので、業者さんは基本的に2成分形を使用します。

コーキングの主成分による分類

コーキング剤の主な分類として、主成分による分類があります。

主な種類として、

  1. アクリル系
  2. ウレタン系
  3. シリコン系
  4. 変成シリコン系
  5. ポリサルファイド系

について、それぞれの特徴などをまとめてお伝えします。

アクリル系

項目内容
メリット上から塗料が塗れる
湿った箇所でも施工可能
選べる色が非常に多い
デメリット耐久性が低い
シーリング材が痩せる
用途外壁の目地
ひび割れの補修
クロスや内装関係の端部
耐用年数約5年
非常に幅広い
アクリル系コーキングの特徴

こちらがアクリル系コーキング剤の特徴をまとめた表です。

アクリル系のコーキングは、1980年以前に外壁材のコーキングとして広く使用されていました。

しかし、のちに技術の進歩により開発されたウレタンやシリコンと比較して耐久性が低いため、外装においては現在使用されることはほとんどありません。

使用されない理由は、耐久性が低くメンテナンスの頻度が高くなり、コストパフォーマンスは良くないためです。

ただ、他のコーキング剤と比べて費用が安いため、耐久性が求められない場所では使われるケースもあります。

例えば、外装と比較して、劣化因子が少ない内装では、色の幅広さを活かして使われることがあります。

コーキングを目立たなくするため、クロスや部材の色に合わせてほしいという要望に対して、非常に色の種類が多い『ジョイントコーク・A』というアクリル系コーキング剤が使われます。

コーキングを混ぜて色を作る『調色作業』は非常に難しいため、熟練の職人さんにしかできない作業です。

ウレタン系

項目内容
メリット上から塗料が塗れる
比較的費用は安い
塗装後の汚染が少ない
デメリット紫外線に弱く塗装が必要
シーリングが痩せる
用途ひび割れの補修
内外装の目地(塗装が必要)
窓まわり(塗装が必要)
耐用年数約5年~10年
アイボリー・アンバー・グレー・ブラック・ホワイト・ライトグレー等
ウレタン系コーキングの特徴

こちらがウレタン系コーキング剤の特徴をまとめた表です。

ウレタン系は、アクリル系と比較して耐久性が高いコーキング剤です。

ただ、紫外線に弱く埃を吸い付けてしまうため、基本的には上から塗装して使用します。

ノンブリードタイプもあり、塗装後の汚染を少なくすることもできます。

ノンブリードとは、ブリード=汚染のことで、コーキング剤に含まれる可塑剤(かそざい)という柔軟性を持たせる成分に汚れが付き、グレーの汚れが出てきてベタつく『ブリード現象』が起こりにくいタイプのことです。

アルコールと反応すると硬化不良を起こすので、アルコールを発散させる材料やシリコン系コーキング材との同時使用は避けるべきです。

ウレタンとポリウレタンとの違いは?

「ポリウレタンってウレタンと違うの?」

このように感じる方もいると思いますが、基本的には同じと考えて問題ありません。

厳密には、ポリウレタンの『ポリ』はポリマー(重合体)のことで、ウレタンがたくさん繋がっている状態のことを言います。

ポリウレタン樹脂のことを通称でウレタンと呼んでいるケースがほとんどです。

シリコン系

項目内容
メリット耐久性に優れている
費用が安い
密着性がよくプライマーなしでも施工可能
乾燥が早い
デメリット上に塗料が塗れない
シリコンオイルにより汚れが付着しやすい
材料が固めで使いにくい
用途ガラスまわり
キッキンまわり
浴槽まわり
耐用年数約10年
クリア・ホワイト・グレー・ライトグレー・アルミ色・アイボリー・ニューアイボリー・ブラウン・アンバー・ブラック等
シリコン系コーキングの特徴

こちらがシリコン系コーキング剤の特徴をまとめた表です。

シリコン系のコーキングは、水まわりのコーキング材として最も普及しています。

費用が安く、ホームセンターでも売っている一般的なコーキング材です。

シリコンオイルが常に出続けるため、上に塗装はできません。塗装する必要がある場合は一度すべて撤去する必要があるため、撤去費用が余分にかかります。

プライマーとは、コーキング剤などを密着させるために塗る下塗り材のことです。

変成シリコン系

項目内容
メリット用途が幅広い
上に塗料が塗れる(ウレタン系には劣る)
汚染が少ない
デメリットシリコンより費用が高い
プライマーが必要
塗料を塗ると弾きやベタつきが発生する場合がある
用途内外装の目地
サッシまわり
ひび割れの補修
タイル目地
屋根材
金属の目地
各種接合部
耐用年数約10年
クリア・ホワイト・ライトグレー・アンバー・ブラック等
変成シリコン系コーキングの特徴

こちらが変成シリコン系コーキング剤の特徴をまとめた表です。

変成シリコン系コーキングは、上に塗料や防水材を塗れるのが最大の特徴で、シリコン系のデメリットを克服しています。

柔軟性があり、動きが大きい部材にも施工可能ですが、ウレタン系と比べて密着性に劣ります。

外壁によく使われるサイディングボードの目地に使われるのは、ほとんどが変成シリコンです。

比較的どこでも使用できるため、使用頻度が多いコーキング剤です。

シリコン系と変成シリコン系の違いは?

シリコン系はシリコン樹脂を原料としており、変成シリコン系はウレタン樹脂を原料としている違いがあります。

一番の違いは、既にお伝えの通り、シリコン系は上に塗料が塗れませんが、変成シリコンは塗料が塗れる点です。

塗装が必要な外壁塗装では、基本的には変成シリコンを使用します。

また、費用も違います。ホームセンターで売っている価格で比較すると、シリコン系は200円~400円、変成シリコン系は500円~1,000円とかなりの違いがあります。

ポリサルファイド系

項目内容
メリット耐久性がよい
表面にゴミや埃が付きにくい
デメリット上に塗料を塗ると変色や軟化することがある
独特の匂いを発する
用途外壁材の目地
サッシまわり
カーテンウォールや石目地等
耐用年数約10年
ホワイト・ライトグレー・グレー・ダークグレー・ダークブラウン・ベージュ・ダークアンバー・ブラック・ステンカラー等
ポリサルファイド系コーキングの特徴

こちらがポリサルファイド系コーキング剤の特徴を表にしたものです。

ポリサルファイド系のコーキングは、表面にゴミが付きにくい特性があります。

一方で、柔軟性があまりなく、動きが大きい部材には適しません。

また、独特の臭いがあり、上に塗料を塗ると変色や軟化させることがあるため、汚染防止処理を行う必要があります。

まとめ

コーキングには様々なの種類があり、特徴や用途、耐用年数などを理解した上で、適切なコーキングを選ぶことが重要です。

コーキングの種類特徴
アクリル系費用は安いが耐久性が劣る
ウレタン系費用も安く汚染が少ないが、塗装する必要がある
シリコン系耐久性がよく密着性もよいが、汚れが付着しやすく、塗料が塗れない
変成シリコン系用途が広く汚染も少ないが、費用が高い
ポリサルファイド系耐久性がよく埃が付きにくいが、独特の匂いを発する
コーキングの主成分による分類と特徴

コーキングの種類と特徴をまとめると上の表のようになります。

ランニングコストなどを考えて選定するのは、経験や知識が必要です。信頼できる業者さんに適切なコーキングを選んでもらうようにしましょう。

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