アクリル塗料はNG?メリットデメリットや関連塗料を解説

アクリル塗料

アクリル塗料は昭和では主流な塗料でしたが現在では使われる機会が減っている塗料です。

ただ、メリットがあるためDIYなどで使われるケースもまだまだあります。

グレードとしては一番低い位置付けではあるものの、特徴やメリットデメリットを見極めて選択するか判断するのが大切です。

この記事のポイント
  1. アクリル塗料は価格が安く種類が豊富
  2. 一方で、耐用年数が短く劣化が早い
  3. 最近では高機能なアクリル塗料も登場
目次

アクリル塗料はどんな塗料?

アクリル塗料は、主成分にアクリル樹脂が使われた塗料です。1950年ごろから製造が始まり、当時はウレタン塗料が高かったことやアクリル塗料の発色がいいという特性もあり、人気の塗料でした。

ただ、近年は他の塗料の価格が徐々に下がってきたため、機能性で劣るアクリルの人気にも陰りが見えてきました。

使われる機会は減ってきているもののアクリル塗料がマッチする場面もまだあるため、メリットがあるケースでは使われることもあります。

例えば、新築の場合は建設したばかりの木材に微妙な動きがあり、それが原因で塗料にひび(クラック)が入る可能性があります。価格が高い塗料が無駄になってしまうのを防ぐ目的でアクリル塗料が使われることがあります。

アクリル塗料のメリットデメリット

アクリル塗料のメリットデメリット

アクリル塗料のメリットとデメリットをまとめました。

アクリル塗料のメリット

アクリル塗料のメリットは以下の通りです。

  • 塗料の価格が安い
  • 発色がよく種類が多い
  • 扱いやすい

それぞれについてお伝えします。

塗料の価格が安い

アクリル塗料の一番のメリットは塗料の価格が安いことです。現在主流のシリコン塗料と比較して6〜7割ほどの価格で塗装工事が行えます。

そのため、5年ほどで外壁の塗り替えをして様々な外観を楽しみたいと考えているのであればメリットがあります。

また、今後住み替えを検討していて何十年も住む予定ではないものの塗り替えをしたいのであればメリットがあります。それ以外にも、アパートを経営している方であれば初期コストを抑えるために向いています。

発色がよく種類が多い

アクリル塗料は発色がいいという特徴があります。そのため、はっきりとした色合いが好みなのであればメリットがあります。

また、アクリル塗料はこれまで使用されてきた長い歴史がありカラーバリエーションが豊富にあるため、好みの色を選びやすいという点もメリットがあります。

扱いやすい

アクリル塗料は1液型の塗料がほとんどです。1液型の塗料は薄めたり(希釈)、混ぜたり(撹拌)することが必要な2液型の塗料と比較して手間がかからないため使いやすいのが特徴です。

そのため、DIYする際によく使われます。また、職人さんが外壁を塗装する際に希釈や撹拌に関する知識は不要なので2液型塗料を使用する場合と比較して技術の差が出にくいです。

アクリル塗料のデメリット

アクリル塗料のデメリットは以下の通りです。

  • 劣化に弱く耐用年数が短い
  • 次の塗り替えのときに手間がかかることがある
  • トータルで見ると費用が高くなる

それぞれのデメリットについて詳細をお伝えします。

劣化に弱く耐用年数が短い

アクリル塗料はラジカル(劣化因子)が発生しやすい特徴があります。特に他の塗料と比較して紫外線に弱く、耐用年数が5年〜7年と短いです。劣化が進むと色があせたり、塗料の浮きや剥がれが起こります。

また、塗料を塗った後の塗膜が硬いため、ひび割れが起こりやすく温度差がある環境には向きません。加えて浸透性が高いため湿気が室外から入ってきやすく湿度が高い盆地などの環境にはおすすめできません。

それ以外にも、耐候性が低いためアクリル塗料は屋根の塗装には不向きで、大手塗料メーカーからは屋根用のアクリル塗料は出ていません。

次の塗り替えのときに手間がかかることがある

アクリル塗料は劣化により剥がれやすい塗料です。再度アクリル塗料を塗り直す際には、劣化した部分をしっかりと取り除かないと新しい塗膜が古い塗膜と混ざってしまい劣化しやすくなります。

そのため、再度塗り直すときは技術や知識がある職人の方に塗装を依頼しないと耐用年数がさらに短くなる可能性があるのがデメリットです。

トータルで見ると費用が高くなる

外壁塗装や屋根の塗装をする際の塗料の値段は全体の2〜3割ほどです。何度も塗り替えるとそれだけ人件費、足場代などのコストがかかります。

そのため、長い目で見ると何度も塗り直すより、1度の外壁塗装で10年〜20年もつ可能性があるシリコン塗料やフッ素塗料の方が人件費や足場代などのコストを落とすことができ、トータルで安く済みます。

アクリル塗料の耐用年数や価格相場と他の塗料との比較

塗料の種類耐用年数1㎡あたりの価格
アクリル塗料5年〜7年1,400円〜1,600円
ウレタン塗料8年〜10年1,700円〜2,200円
シリコン塗料10年〜15年2,300円〜3,000円
フッ素塗料15年〜20年3,800円〜4,800円

アクリル塗料も含めて塗料には樹脂の種類によって主に4つのグレードがあります。その中でもアクリル塗料は価格が低い代わりに耐用年数が短い低グレードの塗料としての位置付けです。

塗料には樹脂をベースとした分類以外にも、機能により分類されるラジカル塗料、遮熱塗料光触媒塗料などがあります。

アクリル塗料の関連塗料

アクリル塗料の関連塗料

アクリル塗料の派生系である塗料について紹介します。

ピュアアクリル塗料

ピュアアクリル塗料はオーストラリアのアステック社の塗料です。新型のアクリル塗料でこれまでお伝えしてきた旧型のアクリル塗料とは違う性能を持ちます。

純度が高いアクリルを使うことによって耐用年数が長く15年〜20年とフッ素塗料並み、高い防水効果や遮熱性が特徴で弾性が高いためクラックにも強いのがメリットです。

一方で、費用もフッ素塗料並みに高く、日本製の塗料でなく扱っている工務店が限られているため、塗料本来の力を出し切れる職人さんが少ないというデメリットがあります。

防水性をもとめないのであれば、施工経験の豊富な業者さんの多いフッ素塗料の方が不安な要素が少ないと言えます。

パーフェクトトップ

パーフェクトトップは大手塗料メーカーの日本ペイント社の新型のアクリル塗料。劣化の原因となるラジカルを制御する機能がついているため、ラジカル塗料として分類されることが多いです。

値段がシリコン塗料ほどであるにも関わらず、シリコンを超える耐候性があり、水性であることからニオイの問題やハウスシックなどの問題の懸念が少ない画期的な塗料です。

ただ、ベースが水性塗料であるため、水に強い機能を付与しているとはいえ、雨に晒される屋根に塗るのは気が引けると考える業者さんもいます。

弾性アクリル塗料

弾性アクリル塗料は、名前の通り弾性が低いアクリル塗料に弾性という性質を付け加えた塗料です。

弾性はゴムのように伸び縮みできることで、伸縮できる幅が広くなることで気温の変化や外部要因でひび割れが起こるのを防ぎ、綺麗な外観を保ちやすくなります。また、水の侵入を防いでくれます。

そのため、耐用年数が通常のアクリル塗料と比較して長くなりますが、一方で地震などによって本来ならひび割れが起きている状態でも弾性によって劣化に気づきにくくなることもあります。

代表的なアクリル塗料

大手3大メーカーの代表的なアクリル塗料をまとめました。

日本ペイント

日本ペイントには、

  • オーデグロス
  • ケンエースGⅡ
  • 水性ケンエース
  • インディーアートセラ

などのアクリル塗料があります。

中でもオーデグロスはツヤなし、3分ツヤ、5分ツヤ、7分ツヤと種類が豊富なだけでなく、内壁外壁と塗り替えなど対応の幅が広く、密着性・防藻性・防カビ性が高くアクリル塗料の中でも代表的な塗料の1つです。

エスケー化研

エスケー化研には、

  • プリーズコート
  • ニュートップレスクリーン
  • エレガンストーンベルアート
  • レナラック
  • レナフレンド

などのアクリル塗料があります。

中でもプリーズコートは作業性に優れ長期間光沢を保持してくれる代表的なアクリル塗料の1つです。

関西ペイント

関西ペイントには、

  • アレスアクアグロス
  • ビニデラックス
  • EPシーラー
  • ホルダーG2

などのアクリル塗料があります。

アクリル塗料のよくある質問

アクリルシリコン塗料とアクリル塗料は何が違うの?

アクリルシリコン塗料とは、シリコン塗料の一種でアクリル塗料とは違うものです。シリコン塗料自体がアクリルとシリコンを反応させた塗料であるため、このような名称があります。

アクリル塗料はどんなところに向いているの?

アクリル塗料は耐候性が低いので外壁以外では天候の影響を受けない内装などに使うのが向いています。

アクリル塗料でないとツヤは出ないの?

他の塗料でもツヤありのものを選べばツヤが出ないということはありません。

まとめ

アクリル塗料には、

  • 価格が安くてカラーが豊富
  • 劣化が早く長い目で見るとコスパが悪い
  • 新型のアクリル塗料は性能が高い

このような特徴があることをお伝えしました。

アクリル塗料は安かろう悪かろうだから選ぶのはNGということはありません。一言にアクリル塗料といっても、旧型のものと新型のものでは価格に機能や価格に大きな差があります。

アクリル塗料以外の塗料でもそれぞれメリットデメリットがあるため、ご自身の外壁や屋根の素材や状態、考えや予算に合致するものを選択することが満足いく外壁塗装のためには大切です。

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